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思想と作品と商売と

ウルトラマンネクサスがシーズン途中で打ち切りになったり、仮面ライダー響鬼のスタッフ異動による路線変更があったり、もっと私の趣味ド真ん中の事でいえば、米国で『スター・トレック エンタープライズ』がシーズン4で終了になる等、作り手の思いと裏腹に、メッセージを伝えきれずに寿命を迎えてしまう作品が増えたような気がする。

上記3つの作品に関しては、私なんかよりもっと熱い心の持ち主がネット上で盛んに発言をくり返しているので、内容に関しては触れない。エンタープライズに関しては、CS放送に入っていない関東圏の人間である私には、今月末にシーズン1のDVDが届くまで中身を見られもしないので、もとより論評する資格もない。

でも、昔からこの手の話に触れる度に思っていた事があるので、少し書いておきたいと思う。

元々、TVにしたって映画にしたって、それらは別に生活必需品ではない。
生活必需品ではないから、景気が悪くなって財布の紐がしめられると、一番最初に影響を受ける。
そういう時、芸術家(ここではクリエイターと置き換えてみてもいい)はパトロンがいないと食っていけない。
過去において芸術が花開いた時ですら、芸術家が自分の食い扶持を作品からの収入だけで賄えていた訳ではない。
彼らはパトロンに食わせてもらっていたようなものだ。

『有名な作家の作品が世に出るまでになったのも、実は彼の才能を信じて疑わなかった友人が、資財をなげうって出版させたからだ』--誰の話だったか、最近そういった話を読んだ。

相撲取りとタニマチみたいな関係が、実は芸術を華開かせるのに必要だったのだと思う。
タニマチは別に、番付が落ちたら、あげた金を回収するなんてしないだろう。タニマチは相撲取りを好きなのだし、彼らを侍らせられる栄誉にあずかれればいいと思っているのではないか。

残念ながら、制作会社とスポンサーの関係は、相撲取りとタニマチのそれとは若干違う。

子供向け番組だって、なんだって、全部大人が作っている。
大人は、生きていくのにお金が必要だ。
芸術家だって仙人じゃないから、夢と霞を食べて生きていく事はできない。

「モノ作りで日本再生!」みたいな言葉はよく聞かれる。
でもこれが、「売れるモノだけ作って、経済大国日本再生!」なんて事を意味するようならば、ますますこの国の未来に希望が持てなくなってしまう。

少子化対策やクリエイター支援という言葉の裏に『やあ、愛すべき子供達諸君!君の事は、将来の納税者として大切にするよ!』とか『金になる才能はもっと伸ばしましょう!…そうすれば、きっとオンリーワンになれるよ!』なんて下心が見えているようで、まるで耳元で「金儲けの下手な、平凡な人間になっちゃダメだよ~」と囁かれているようで、いたたまれなくなってくるのである。

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